汚れた外壁を一新するために外壁塗装を検討される場合、事前の高圧洗浄は必要な作業なのだろうかと疑問に思われるかもしれません。

この記事では、外壁塗装前の高圧洗浄の必要性や、よくあるトラブルについて解説します。

トラブルをさけるための注意点についてもご紹介します。

外壁塗装前の高圧洗浄は必要？

高圧洗浄は、外壁塗装前の外壁や屋根の下地処理として行う大切な作業です。

外壁は屋外で、雨風や紫外線などの影響から経年劣化しやすい場所です。

経年劣化で、塗装がはがれていたり、白い粉がふいてチョーキング現象が生じていると、その上に新たな塗装をしても剝がれたりして、きれいには塗れません。

高圧洗浄作業によって、外壁の古い塗装や汚れを落とすことで、新たな塗料を外壁と密着させ、塗装を長持ちさせることができるのです。

外壁塗装工事の高圧洗浄によるトラブル事例

高圧洗浄作業は、外壁塗装工事でかならず行う作業ですが、いくつか起こりやすいトラブルもあります。

「室内への浸水」「汚れの残り」「近隣住民のクレーム」といった原因によるトラブル事例を見ていきます。

室内に水が入る

高い水圧で外壁を洗浄するため、窓や鍵を閉め忘れてしまうと室内が水浸しになります。

窓を閉めたつもりでいても、水圧で窓が開いてしまうこともあり、作業前に施錠の確認が必要です。

また、換気扇から水が入る場合もあり、かならず換気扇も消しておかなければなりません。

さらに、窓のサッシまわりや、外壁の大きなひび割れ（クラック）箇所、外壁材のすき間をうめるコーキングの劣化した箇所は、高い水圧で洗浄すると室内に水が入る場合があります。

作業者は、外壁の状態や場所に応じて水圧を調整しますが、水が入った場合には早急に中断してもらわなければなりません。

汚れが残っている

高圧洗浄の作業後も、外壁に汚れが残っていると感じるケースは注意が必要です。

外壁に汚れや古い塗膜が残っていると、塗装の仕上がりや耐久性にも影響があり、あとからトラブルになるからです。

洗浄をはじめて、2時間ほどで終わったというケースもありますが、高圧洗浄の作業は高い水圧で古い塗膜をけずり落とさなければならず、短時間では終わりません。

家の大きさにもよりますが、一日かけて行う作業です。

洗浄後は、担当者と一緒に汚れの残りがないか確認すれば、塗装のトラブルをへらすことが可能です。

ご近所からクレームがくる

外壁塗装時の高圧洗浄の際に、ご近所から騒音や汚れ、車の駐車についてクレームがくる場合もあります。

高圧洗浄は大きなエンジンを使った機械で洗浄するため、そのエンジン音が響きます。

また、高い場所の作業をするために、金属の棒で足場を組み立てる際には、金属音も気になるかもしれません。

さらに、洗浄した水が風で飛び、お隣の家の車や家を汚してしまったり、家の前に停めた塗装会社の車が交通の妨げになると、クレームにつながるのです。

外壁塗装前の高圧洗浄のトラブルを避けるための対策

外壁塗装前の高圧洗浄によるトラブルを避けるためには、いくつか事前に対策しておけることがあります。

「近隣への事前の挨拶」「施工前・施工後の確認」「業者の選定」といった方法を、くわしく見ていきます。

近隣への事前のあいさつ

近隣の住民に不安を与えないように、ご挨拶を兼ねて外壁塗装や高圧洗浄の工事内容のお知らせをするのは重要なポイントです。

工事内容とともに、工期や毎日の作業時間、天候によってずれ込むかもしれない予備日をお知らせします。

住宅の密集した場所では、大きな音や水が飛散する可能性についても説明し、最低でも3軒先までご挨拶します。

また、家の周囲に十分なスペースが確保できない場合には、足場を組む際にお隣の敷地をまたぐかもしれません。

事前に了承を得ておくことで、勝手に入ったと言われるトラブルを避けることが可能です。

さらに、工事期間は洗濯物を汚してしまうかもしれず、室内干しをお願いしておくことをおすすめします。

施工前、施工後の確認

施工前の施錠の確認や、高圧洗浄の作業後の仕上がりを確認することも大切です。

高圧洗浄前には、すべての窓が施錠されているか、換気扇が切れているかを確認します。

また、壁に取り付けられた換気口についても、閉められるものは閉めておくと、浸水の心配がなくなります。

洗浄後には、施工業者と一緒に家の周囲を見て回り、洗い残しがないことを確認しておくと安心です。

外壁塗装のあとで、残った汚れで塗装に浮きが生じてトラブルになると、金銭面でも精神面でも負担が大きく、後悔につながるからです。

信頼できる業者の選定

高圧洗浄、外壁塗装を請け負う業者は数多くありますが、その中でも信頼できる業者選びがトラブルを避けるコツとも言えます。

適切な工事とともに、近隣に対してもしっかりとした対応をしてもらえるからです。

信頼できる業者を選ぶポイントは、施工実績の数、点検や見積時の対応、アフターサービスの有無です。

外壁塗装は、どの外壁でも一律同じ工程ではありません。

事前に建物の劣化状況をしっかり調べて、外壁材にあった洗浄や薬剤を提案してくれる業者を選ぶと安心です。

また、何かあった場合には適切なアフターフォローをしてくれる業者なら、トラブルも少ないでしょう。

さらに、複数の業者に相見積もりをとって、業者を選ぶなら、その見積書にも注目します。

見積書に「○○一式」などと表記せず、単価や面積などをもとにして、項目ごとに明確な基準で作成されていると誠実な業者と判断できます。

外壁塗装前の高圧洗浄にかかる日数や水道代

外壁塗装前の高圧洗浄の一般的な知識をご紹介します。

高圧洗浄にかかる日数や、水道代について見ていきましょう。

必要な日数

家の大きさにもよりますが、高圧洗浄の工程には1日とってあるのが一般的です。

家の周囲の外壁をすべて洗浄して、その後はしっかりと乾燥させなければなりません。

乾燥しきらないままで、その上に外壁塗装をすると、塗装の内側の水分が蒸発するときに新たな塗装の浮きが発生し、施工後のトラブルにつながるからです。

洗浄作業が終わると、2日ほど乾燥させ、季節にもよりますが最低でも24時間は乾燥の時間を取ります。

高圧洗浄の作業には、高圧洗浄に1日と乾燥に2日で、3日間は見ておく必要があります。

必要な水道代

建物の大きさによっても変動しますが、外壁塗装前の高圧洗浄にかかる水道代は、朝から夕方まで作業しても1,000〜2,000円程度が相場です。

これら2,000円弱の水道代をお客様が負担することになります。

具体例には、業者の高圧洗浄機の水量を1時間当たり1,000リットル、8時間の洗浄作業をしたとします。

一日の高圧洗浄作業で使用した水の量は、8,000リットル（8㎥）です。

東金市の水道料金（従量料金1㎥あたり209.0円）で計算すると、8,000リットル（8㎥）使用した場合、水道料金は1,672円となります。

まとめ

今回の記事では、外壁塗装の仕上がりや塗装のもちを左右する高圧洗浄について解説しました。

高圧洗浄にはよく起こるトラブルがいくつかあり、事前に確認しておくことをおすすめします。

「水の浸水」「作業後に残った汚れ」「ご近所トラブル」は、対策によって大きなトラブルになることを防げます。

トラブルを防ぐには、近隣へのご挨拶、施工前・施工後の確認、信頼できる業者の選定が重要です。

丁寧な建物の状況説明や、明確な見積作成をしてくれる業者を選べば、安心して工事をすすめられます。

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