家の外壁についた苔はどうやって落とすの?掃除の方法や効果的な予防策を解説。


「家の苔を落としたい……」「苔って、何で家の外壁に生えるの?」
そんな悩みや疑問を抱えている方も、多いことでしょう。
確かに、外壁に苔がたくさん生えている家は、どうしても汚く見えてしまいますよね。
外見の劣化だけではなく、苔は外壁を傷めることもあるため、早めの掃除や予防が必要です。
この記事では、苔が繁殖することによる家への影響をはじめ、苔の落とし方や効果的な予防策について詳しく解説します。

苔や藻、汚れなど年数と共に目立ってくる原因と対策


1.外壁の苔はなぜ生えるの?

家に生える苔は、風で運ばれてきた胞子が外壁に付着することで繁殖します。
また、湿気や周囲の環境によって、苔が繁殖する度合いは変化します。

苔は外壁に胞子が付着して繁殖する

家の外壁に生える苔は、風で運ばれてきた胞子が付着することで繁殖します。
苔は一般的に川辺や森林などに生育しており、胞子によって増えていく植物です。
また、苔は光合成で成長していく一方で、日光が当たりすぎる環境だと水分が飛び、枯れてしまうという特徴があります。
つまり、苔はあまり日光が当たらず、適度な水分が得られる場所で生育するのです。

苔の繁殖は家の環境で変化する

苔の繁殖状況は、家を取り巻く環境によって変化します。
家が川辺や森林の側に建っている場合、湿気が多い上に胞子も飛んできやすいため、苔が生えやすい環境です。
日当たりが悪く風通しもよくない家も、外壁の湿気が滞留するため苔が繁殖しやすくなります。
また、外壁の素材も苔の生えやすさに影響します。
モルタルやサイディングなどの表面に凸凹がある壁材は水分が溜まりやすいため、苔が生育しやすい環境です。


日陰になる北面の壁は、苔が生えやすい場所でもあります。


2.苔を放置するとどんな影響がある?

たかが苔だからと、あなどってはいけません。
苔を放置すると、住んでいる人の健康や建物自体に大きな被害をもたらす恐れがあります。

健康被害が発生する

1つ目の影響は、苔が人体に健康被害をもたらす可能性があることです。
苔類の胞子が人体に入ると、アレルギー性皮膚炎を誘発する恐れがあります。
苔は苔類に分類される植物で、空気中に胞子を放出することで繁殖します。
そして、外壁に苔が繁殖している家は屋内に胞子が入ることもあり、人間が吸い込むとくしゃみや鼻水、咳などのアレルギーを引き起こす危険性もあります。

外壁がもろくなる

2つ目の影響は、苔が発生すると外壁がもろくなってしまうことです。
苔は酸性、外壁はアルカリ性とそれぞれ相反する物質で、2つが長時間接触するとお互いの性質を中和する「中性化現象」が起きる可能性があります。
そして中性化された壁はもろくなり、手で触っただけでボロボロとくずれるほど劣化してしまうのです。
さらに、外壁がくずれた家は構造体がむき出しとなって、雨漏れの発生や建物自体の劣化を招くことになります。

高額の修繕費用がかかる

3つ目は、苔を放置すると高額の修繕費用がかかってしまうことです。
中性化が進んだ家の外壁は、軽い力でも指がズブッと入ってしまうほどにまで劣化します。
ここまでくると清掃や補修だけでは対応できず、キレイに直すには大掛かりな張り替え工事が必要です。
この外壁の張り替え工事には、100万円単位の高額な費用がかかります。
苔は湿気の多い環境を好み、放置すると壁に定着してどんどん増えていきます。
被害や出費を最小限に抑えるためには、なるべく早いうちに対処する必要があるのです。


脆くなった外壁の修繕工事


3.自分でやる?業者に相談する?判断のポイント

では、生えた苔はどこまでを自分で対処して、どの段階で業者に依頼すればいいのでしょうか。
判断のポイントは、外壁が「水を弾くかどうか」です。

外壁が水を弾く場合は自分で対処

水をかけてみて、外壁がコロコロと玉になって弾く場合は自分で苔を対処できます。
水を弾くのは、外壁に塗装されている塗料の膜が生きているという証拠です。
膜があれば外壁の素材を保護できており、苔も根を張っておらず自分でも落とせるでしょう。
ワックスが効いている車のように水を弾く外壁であれば、健康状態は良好です。

水を弾かない外壁は業者に相談

水をかけても流れず、シミのように水分が残ってしまう外壁であれば、業者への相談が必要です。
この場合は、塗料の膜が無くなっていると判断します。
膜が無くなった外壁は、雨などの水分がはけずに湿気が滞留し、苔が根を張りやすくなります。
そのため、一度掃除しても苔が再び生えてきてしまうのです。

塗料の膜がなくなっている外壁は、できるだけ早く専門の業者に相談することをおすすめします。


苔で覆われた外壁。


4.こんな苔は業者に相談

今度は、業者に相談すべき苔の状態について、見ていきましょう。
広範囲に根を張り、手の届かない場所にある苔の洗浄は、専門の業者に依頼します。

広範囲の外壁に根を張った苔

非常に広い範囲の外壁に根を張った苔であれば、専門の業者に作業を依頼しましょう。
深く根を張った苔は、ホームセンターで売られている家庭用の苔取りスプレーでは落ちません。
また、なかなか落ちないからと強くこすると、外壁自体を傷めてしまいます。
場合によっては、外壁そのものを修復しなければならないケースもありますので、自分では手に負えないと感じるほどの苔であれば無理をせず、業者に頼みましょう。

高所に付着した苔

2階以上の高い位置に繁殖した苔についても、業者への依頼がおすすめです。
高所での作業は素人には難しく、怪我などの危険も伴います。
長い柄が付いたモップでも落ちないことはありませんが、意外に力が入らず苔を落としきれません。
下手に力を入れたりすると外壁を傷めてしまう恐れもある上に、無理に作業を進めることで滑落などの恐れもあります。
専門の業者はきちんと足場を組んで作業するため、高所でも安全かつスムーズに作業可能です。
少しでも不安を感じる時は、信頼できる業者に現地調査を依頼し見てもらうと安心です。


防藻塗料を使えば苔などの汚れを防ぐことができます。


5.苔の効果的な予防策とは

家や人間に大きな影響を及ぼす苔ですが、外壁周辺の風通しを改善したり、防藻塗料で塗装してもらったりすることで予防することも可能です。

外壁周辺の風通しを改善する

1つ目の予防策は、家の外壁周辺の風通しの改善です。
風通しが良くなれば外壁に湿気が溜まらず、苔が繁殖しにくい環境となります。
そこで、外壁の近くに物がある場合は取り除き、空気が通りやすいようにすることで繁殖予防につながります。
また、家に樹木や雑草が密着していると外壁に日光が当たらず、苔が生えやすくなりますので、こまめに伐採したり除草剤を撒いて植物が生えにくくしたりするなど、対策を施すことも効果があります。
外壁周りの環境を改善することで、苔の繁殖が抑制される事から取り入れたい一つの改善ポイントになります。

苔を防ぐ塗料で外壁塗装してもらう

2つ目の予防策は、苔が生えにくい塗料で外壁を塗ってもらうことです。
外壁用の塗料には、苔がつきにくい機能を持った「防藻塗料」と呼ばれる機能性に富んだ塗料があります。
この塗料には特殊な薬剤が混ぜられており、外壁に塗ると苔が繁殖しにくくなります。
また、セルフクリーニング機能を持つ光触媒塗料というものもあり、塗料の成分が太陽光に反応して苔を分解するため、キレイな状態を長期間維持することができます。
なお、塗料による人体の影響は、施工後の乾いた状態であればほとんどありませんのでご安心ください。ただ、これらの塗料は施工箇所の制約や使えない外壁の材質がありますので、詳しくは専門の業者に相談してみてください。

苔取り後、塗装を施工してキレイになった外壁。


6.まとめ

今回は、苔が繁殖することによる家への影響をはじめ、苔の落とし方や効果的な予防策についての解説になります。
家の生えた苔は外壁を傷め、住む人の健康にも大きな影響を及ぼしますので、早めの対処が安心です。
苔が生えないようにするには、家の周辺の風通しを改善したり、信頼できる業者に相談し防藻塗料で外壁を塗装してもらう事で予防することができます。
 

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